- 消防士を辞めたい
- 消防士でいるのが辛い
- どうしていいかわからない
今、こんな思いをしている方へ。
何かのキッカケになればと思い、今だからこそ言える「僕が消防士を辞める決断をした理由」を話します。
消防士を辞めたいと思ってから、上司に伝えるまで1年半かかりました。
もし、消防士を辞めた方の「辞めた理由」を聞いていれば、僕はもっと早くに消防士を辞めていたかもしれません。
今回の記事は、「辞めた理由」と消防士を辞めたい方に僕からのメッセージを含め3つの内容で書きます。
- “ストレス“
- いつ死ぬからわからない。
- 本当にやりたいことをやろう
それでは「消防士を辞めた理由」を順番に記事を書いていきます。
[toc] [no_toc]『消防士を辞めた理由』をお話しする前に
今回、お話しする「消防士」に対する考えは、個人的に感じた事・考えた事を書いています。
現在「消防士で辞めたいと悩んでいる人」には、読んでほしい記事ですが、消防士を経験した事のない人や、辞めようと思っていない人にとっては誤解される書き方もあるかもしれません。
また、気分を害されるかもしれませんので、そのような場合はページを閉じてください。
その代わり、僕の本音をこの記事ではお話させていただきます。
『現在、消防士として働き、悩んでいる全ての人が良い選択ができるように』と願って、この記事を書きます。
消防士を辞めた理由は、消防士に向いてなかったから
消防士を辞めた理由は『消防士に向いていなかったから。』
こんなとてもシンプルな理由です。
消防士が悪い職業というわけではなく、単純に『僕』が『消防士』に向いていなかった。ただそれだけです。
『僕が消防士に向いてない』と感じたのは、主にこの3つ。
- 消防士に強い憧れがなかった。
- 階級社会・上下関係が苦手。
- 効率の悪い事・伝統が嫌い。
消防士に強い憧れがなかった。
消防士になるほとんどの人は、
- 小さい頃からの夢や憧れ
- 人を助けたい正義感
こんな理由の人が多い印象でした。
僕が消防士になろうと思ったのは、高校を卒業して2年が経った時です。
- 体を鍛える事ができる
- 休みが多い
僕が消防士になった大きな理由は、この2つでした。
そんな理由で消防士になった僕は、消防学校初日で、「あれなんか違う…」と皆んなが持っている熱い気持ちとのズレを感じました。
同期はもちろん、教官の熱い気持ちについて行く事ができませんでした。
階級社会・上下関係
消防士は完全な階級社会です。
年齢や能力は関係なく、階級こそが全てです。
新人は、料理・掃除・その他、雑用に追われる毎日。
上下関係も厳しく、時には「いじめ」と思えるような事もありました。
中学から野球をやっており上下関係にはなれていましたが、毎日かなりのストレスでした。
効率の悪い事・伝統が嫌い
消防士は良くも悪くも伝統を大事にします。
誰が見ても効率の悪い事でも「昔からこれだから」という理由で改善しようとしません。
また、改善しようとしても上司の許可、さらにもっと上の役職の方の許可が必要だったり、何かと手間がかかり簡単にシステムが変わる事はありません。
組織が大きいのでこれは仕方のない事かもしれませんが…
そんな効率の悪さにもどかしい日々を送っていました。
このような日々を繰り返し、『消防士に向いてない…辞めたい…もっと自分が力を発揮できる所にいきたい』と思うようになりました。
消防士をやめる決断をした3つの事
「僕が消防士を辞める決断をするにいたった3つ」をお話しします。
- “ストレス“が無い日は1日も無かった
- いつ死ぬかわからない。
- 本当にやりたいこと
1:“ストレスが無い日は1日も無かった
消防士時代に、ストレスが無かった日は1日もありませんでした。
勤務の1時間以上前に出勤し、コーヒーを淹れて、全員分の昼・夜の食材注文、風呂掃除から始まる毎日。
強制的な飲み会、効率の悪い事務手続き、人の悪口、女・合コンの話…など。
毎日ストレスでしたが、消防士を辞めて、これらのストレスが一切無くなりました。
もちろん、今も悩んだりする事はありますが、やりたい事をやっているので悩んだとしてもこんな嫌な気持ちにはなりません。
『ストレスがない毎日』これだけで、こんなにも生きる事が楽になるんだなと感じています。
2:いつ死ぬかわからない。
毎日のように見る人の「死」。
消防士をしていれば、「死」と隣あわせなのは分かっていました。
ですが、ある交通事故の現場にいくまで僕は「死」に対して、まだ曖昧だったようです。
部活帰りの高校生が飲酒運転のトラックに跳ねられ亡くなりました。
消防士2年目の冬、日も落ち一段と寒くなってきた18時頃。
いつものように本部から指令がなり「交通事故」として現場に向かいました。
現場に着くと周りは騒然としており、目の前には横たわった女性が1名。
僕は無意識で体が動き、必死に心臓マッサージを行っていました。
「大丈夫か!絶対助けるからな!」何度呼び掛けても返事はありません。
心臓マッサージをする手には、体の温もりを感じ、生きている。生き返る。と思いました。
後から分かったのですが、即死だったようです。
ショックからか、その子の顔を思い出せません。ですが、現場の雰囲気・景色・手に残る感触、今でもその時の事をはっきり覚えています。
寝ているわけではありません、息の無い人はこんな倒れ方をするんだ。
そして人間はこんなにも簡単に死ぬんだ。と感じました。
「本当にやりたいこと」ってなんだろう。
この時から、「自分もいつ死んだっておかしくない。」
- 「このままここにいていいのかな?」
- 「この仕事をしていて幸せになれるのかな?」
- 「死んだ時に後悔しないかな?」
「自分が本当にやりたいこと」ってなんなんだろうと考えるようになり、僕は消防士を辞めました。
4分の1
今は100歳まで生きられる時代になってきています。
そうすると「人生の4分の1」はもうすでに終わっています。
何かを言い訳にしている暇なんてない。
とりあえず行動し違ったらまた挑戦すればいいんじゃないかと思っています。
今死んだとして「後悔」しないかどうか。
3:本当にやりたいこと
僕は自分のやりたいことをやるために、消防士を辞めました。
その時やりたかった事は、「筋トレ」でした。
好きなことができる毎日は楽しい。
もちろん、悩む事や辛い時もありますが、それすらも楽しい毎日になります。
消防士を辞めたい。でも…
消防士を辞めたい…でも…と思っている方へ
- 公務員は安定しているから
- 周りに反対されるから
- 辞めた後どうすればいいか分からない
全部わかります。
僕も「消防士を辞めたい」けど、このような理由で辞める決断を出すまでに時間がかかったから。
「何がやりたい?」
「あなたは何をやって生きて行きたいのか?」
たしかに、公務員は安定しています。歳を重ねれば給料も増えていきます。
やりたいことをやるために消防士を辞めたとき、不安も、リスクもありました。
もちろんお金を稼げる保証もありませんでした。
たくさんの人から「辞めるのはもったいない」「何を考えているのか分からない」と言われました。
こんな言葉に、「辞めたらいけないのかな?」と心が揺れそうになりましたが、勇気を振り絞って辞める事を伝えた時、一気に目の前が明るくなったのを覚えています。
振り返ってみると、いつも人の目を気にして自分で生きづらい世界を作っていました。
今思えば自分で自分を苦しめていたなと思います。
人の事を考える前に、「自分が好きな事、やりたい事は何なのか?」を考えてみるといいと思います。
最後に
消防士はとても素晴らしい仕事です。
自分の命をかけて人を助けるこんなにもカッコいい仕事は他にはないと思っています。
ですが、自分が消防士として働くのとではまた状況が変わってきます。
僕は消防士をやめて、今とても生きやすいです。幸せです。
この記事が少しでも『消防士を辞めたい』と思っている方の役に立てたのなら嬉しいです。